フエツアー3日目の朝食、今旅で1等賞をあげたいしじみ飯屋にて。

Com hen(コム・ヘン)はしじみごはん、bun hen(ブン・ヘン)はしじみ麺、どちらもしじみスープが別椀でついてくるサラサラ汁系炭水化物。フエのあたりはしじみ漁が盛んなため、しじみを使う料理が多いのですが、このごはんや麺は大衆的な朝ごはんとして親しまれています。

1杯のボリュームが小さく軽やかなので、ごはんと麺をダブルで全員注文。皮付きピーナッツがいい仕事をしている!

こちらの店は以前にも何度か訪れたことがあるのですが、今回はなぜか特にグッと胸を打たれました。それはたぶん、町でこういう店先風景に出会うことが少なくなってきたからと思う。プラスチックテーブルと椅子まわりの角度感、壁に描かれた絶妙なフォントの卓番、そして写っていないのですが、店内の床上におばちゃんが堂々とキッチンを展開して調理している、そういう風景。

お昼ごはんは老舗の「アンフー食堂」へ。五目ごはんという名の、焼き豚やえびそぼろ、きゅうりのお漬物や香菜がのった混ぜごはんをいただきました。昔ながらの炭火で焼かれた豚肉が無骨で香ばしく、ずっと変わらない素朴な味わいはこのお店の名物料理です。この1皿からアレンジされた「アンフーごはん」という姿の異なるお洒落な混ぜごはんが、都会のフエ料理レストランではすっかり定着しているほど。

フーダビールの水玉グラス(ノベルディグラス?)が生徒さんたちに大好評。

フエならではの地元老舗食は料理だけにあらず。細い路地奥のカウンター、煮豆やあんこやお団子が詰まったグラスを指さしてオーダーする、昔から変わらない営業スタイルのチェー(甘味)処へも足を運びました。

7種類のチェーをぐるぐるとまわしながら、カチャカチャと混ぜながら食べ比べ。人数が多いツアーならではの楽しい食べ方です。
つづく
フエでの晩餐は、フエ伝統の動物造形料理コース……ではなく、宮廷料理コースです。

ベトナムハム、薄焼き卵、ゆで野菜などで形作られた鳳凰の前菜。

躍動感あふれるドラゴン仕立ての青パパイヤサラダ。

揚げ春巻きは孔雀の羽となり、パイナップルがボディとなる。

前衛アートのように見えなくもない、象のミートロ―フ。

個人的にいちばんほのぼのとする亀チャーハン。
おとぼけた見た目とは裏腹に、繊細な技巧と上品な味つけが好印象のフエ料理レストラン。女性シェフならではのこまやかさや大胆さをたっぷりと感じました。
つづく(更新が大変遅れていて恐縮ですが、今後ものんびりと綴ります)
前半チームはベトナム中部の古都、フエを巡る旅。3時間ほどのドライブの前にまずは腹ごしらえ、ダナンのローカル食堂で朝ごはんです。

フエの名物麺といえばBun bo Hue(ブン・ボー・フエ)。牛骨やかたまり肉、豚足、レモングラスなどでとったクリアなスープに上品な辛味をつけ、スパゲッティくらいの太いブンを入れていただきます。ぜひ本場で!といきたかったのですが、昨年のロケハン時、肝心のフエではなかなかぴんとくる1杯に出会えなかったこともあり、本場よりもおいしいと太鼓判を押されたダナンの専門店をチョイスしました。ダナンにはフエからの移住者が多いためフエ料理専門店もたくさんあり、こちらは今でも昔ながらの調理法を守っているのだそう。「ミックス」を注文すると、赤身肉やホルモン、血を固めたものなど、牛肉のいろいろな部位を少しずつのせて出してくれます。

食卓には辛味を足すための生唐辛子や、赤わけぎとにんじんの酢漬けなどが待機。この酢漬けはダナン独特の卓上アイテムで、スプーンですくってスープに落とせば、どんぶりの中に清涼なすきま風が吹きこむよう。

ダナンからフエへ向かう道中、風光明媚なハイヴァン峠へ寄り道。この季節は眼下に広がるダナンの海が美しく、頂上からは遠くフエの海岸線までうっすらと見渡せました。

フエへ着いて地ビールのFuda(フーダ)で乾杯。旅先の昼酒にぴったりの爽やかな飲み心地です。缶のデザインが秀逸で個人的にジャケ推しでもある。

ベトナム料理でBanh(バイン)といえば粉を使う料理のこと。フエ料理ではこのBanhが実に豊富で、粉もんだけで1食がじゅうぶんにまかなえるバラエティです。米粉生地を小皿で蒸したものはBanh beo(バイン・べオ)といい、えびそぼろと揚げ豚皮をトッピング。

Banh bot loc(バイン・ボッ・ロック)はタピオカ粉の蒸し餅。ひとつひとつ、甘じょっぱいえびが丁寧にかわいらしく透けている。

クズウコンの葉に練った米粉生地をのばして蒸したBanh nam(バイン・ナム)は熱々が絶品。

カリカリ揚げ餅にモチモチ蒸し餅のふとんをかぶせ、えびそぼろをふりかけたBanh it(バイン・イッ)。数あるBanh系でいちばんの好物につきおかわりしました。

フエ式のBanh xeo(バイン・セオ)は小ぶりサイズ、生野菜やなますと一緒にライスペーパーで包み、ピーナッツみそだれにつけて食べます。その昔、王宮へ献上するために多種多様な料理を作っていた食文化をもつフエでは、粉やえびといった限りある地の素材だけなのに、できあがる皿には創作意欲をむくむくと感じとることができます。
フエの台所、ドンバ市場へも立ち寄りました。

えびや魚などから作る発酵みそ、マムの売り場は圧巻かつ美しい。フエあたりはアミえびのマムが特産です。

これは初めて見た、縁日の金魚すくいを彷彿とさせる袋詰めクラゲ。唐辛子入りで防腐効果か。

葉っぱと竹で作られるベトナムのすげ笠、ノンラーはフエの名産品。市場でわいわいと試着する生徒さんたちに和んだ昼下がりです。
つづく
3月半ばからのベトナム滞在、生徒さんたちと一緒に食べ歩いたツアーの模様。
旅のはじまりは中部の玄関口、ダナン。空港へ着いたらその足で夕食、ダナンへ来たならまずはシーフード!ということで、海岸通り沿いにあるローカルレストランへ。

ぶくぶくと勢いよく泡立つ生簀代わりのタライには、本日の役者たちがそろい踏み。その堂々たる姿を見れば、テーブルにメニューはなくとも食欲が刺激されて、えび!シャコ!あの貝を食べてみたい~!と積極的なリクエストが飛び交う。素材を選んで人数分の重さをはかってもらい、調理法を決めてオーダーします。時価、明朗会計。

まずは貝の前菜から、焼きミル貝のピーナッツねぎ油がけ。大きな身はほんのりとミルキーでコクがあり、芳醇なねぎ油と香ばしい揚げねぎ、カリカリのピーナッツをまとって調味料いらずの潔いおいしさ。

ベトナム貝料理のど定番、はまぐりのレモングラス蒸し。ベトナムのはまぐりは日本のものよりもサイズが小ぶりで、白っぽくつるりとしたあさりのよう。鼻腔をくすぐるオリエンタルバジルの爽やかな香りと、ときどきハッとなる唐辛子の香りがよいアクセントです。

焼きバイ貝は爪楊枝でほじり、シンプルに塩こしょうライムにつけて食べる。

いかのしょうが蒸しには、口の中をさっぱりさせるミントをたっぷり添えて。

蒸しシャコ。こんな素朴なシャコには日本でなかなか出会えない、と思う。むき方をレクチャーしてもらいつつ楽しくいただきました。

アプリコットに似た甘酸っぱさ、タマリンドソースで炒めたえび。

本日の蒸し魚はハタのねぎ醤油蒸し。食卓でめいめいにライスペーパー手巻きで。

ごくふつうの中華麺焼きそばでも、具となるシーフードが新鮮でなんておいしいこと!

魚のアラスープで炊いた旨味たっぷりのお粥にしみじみ。〆までたらふくいただいて大満足、シーフードは大勢で食べるのがおいしいなぁと感じ入った夜でした。

地ビールはお決まりのアイスクーラーで。よく飲みました。
つづく
ベトナムより無事に帰国しております。ツアー日記を綴る前に、お知らせをひとつ。

『きょうの料理 4月号』(NHK出版)にレシピを掲載していただいています。
テーマは「カラフル!おかずおにぎり」。私らしからぬ初挑戦のレシピですが、素敵なスタイリングと美しいカメラ撮影に励まされ、春らしく軽快で楽しいページができあがりました。行楽シーズンのおともになればうれしいです。
こちら、4月に番組放送があります。相変わらずぼんやり、のんびりした語りになるかと思いますが、あわせてよろしくお願いします。
NHK Eテレ
4月16日(火)午後9時~9時25分/4月17日(水)午前11時~11時25分【再放送】
3月の料理教室が始まりました。

ベトナム家庭料理クラスの風景。
トマトソースに溺れたイカが今月のメインディッシュ。イカには豚ひき肉にきくらげや春雨を混ぜ込んだ肉ダネをたっぷりと詰めて、さながらイカめしのよう。現地の大衆食堂では定番のごはんのおかずです。イカは皮をむいたほうが美しい色白になるけれど、皮からにじみ出る香りや旨味がソースに混ざるとまたおいしいので、レッスンではそのままの姿で煮込むことにしています。

2月最終日、ベトナム料理レッスンの風景。ギュッギュッと料理をのせた食卓を賑やかに囲みました。ベトナム料理は卓上アクションが多いので、口だけでなく手もしっかりと動かしてなんぼ。それがおいしいへの近道です。
本日より4月レッスンのご予約受付をスタートしました。どうぞよろしくお願い致します。

今月のタイ料理レッスンより、豚肉のガパオライス。「ガパオ」とはアジアで親しまれているハーブのひとつで、英名では「ホーリーバジル」と呼ばれます。野性の印象的な香りを放つハーブですが、なかなか手に入れにくい食材でもあるので、レッスンではもう少し身近なバジルを使って再現しています。
ひさしぶりにホーロー皿に盛ってみました。ガパオライスって現地では究極の屋台ファストフードなので、こういう気軽なお皿のほうが個人的には気分があがります。もっといえば、味気ないプラスチックやメラミン製のプレートにのったおいしそうな料理に萌えるあの感じも……なんて、楽しいスタイリングについてちょっぴり脱線したレッスンだったのでした。
教室の階段下にある看板をリニューアル。

ベトナムらしいカラーとデザインを想像しつつ妹が作ってくれました。左上の三角はランプシェードにあらず、ノンラー(ベトナムの笠)なんだそう。なるほど。

先日のプライベートレッスン。
お酒にあうベトナムローカル料理を習得したい!とのリクエストにお応えしました。きゅうりと干物の和え物は、メリハリのある塩気にお酒がすすむ呑兵衛好みな1品で前菜にぴったり。メインディッシュはマリネしてオーブンで焼くだけの香ばしいスペアリブ、そして〆には、これから季節を迎えるあさりと香りよいディルをたっぷり使ったお粥を作りました。持参された薄桃色のやさしいロゼワインがするっと寄り添い、昼下がりの酒席にはべトナムのそよ風。
プライべートレッスンでは開催日時やメニュー、ドリンクの持ち込みなどにフレキシブルに対応しています。通常レッスンとの兼ね合いで早めからのご予約をお願いしていますが、規定の開催日になかなかご都合がつかない方、知人友人ばかりで気軽にレッスンを受けたい方、また習いたい決め打ちメニューがある方などなど、よろしければご活用ください。

Chuc mung nam moi ! あけましておめでとう!
2月5日、ベトナムは旧正月で元旦を迎えました。ちょうど料理教室ではありましたが、メニューは旧正月とは関係なく鶏肉のフォー、揚げ春巻きなど、毎年定番の人気ものを(旧正月メニューは1月レッスンでやったのでした)。改めまして、今年のレッスンも健やかで穏やかで楽しい時間となりますように。
いつも料理教室へお越しいただき誠にありがとうございます。
2019年4月レッスンのご予約より、下記のようにキャンセル料金を改定いたします。
レッスンの1週間前~ 1700円
レッスン5日前~ 3000円★
レッスンの前日・当日 5800円★
★レッスン終了後にレシピを郵送します
キャンセル料金により生徒様のご負担が増えることは大変心苦しいのですが、当教室の運営、またご一緒するレッスンにより多くの方が満足していただけるよう日々努力してまいります。今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
1月は「行く」、もうすぐ「逃げる」2月。

日曜日のレッスンではにんじんのソムタムを作りました。今季のにんじんはとても甘くて太くて、近郊でとれるものからどれを選んでも味が濃い。
近所のスーパーには農家さんの直売コーナーがあって、野菜の品揃えは毎日異なるのですが、いくつかの農家さんが同じ野菜をこぞって出していると、それが出盛りなんやなぁと積極的に食べるように決めています。レッスンで使う野菜はなるべく季節に出回りそうなものを予想していますが、それでも出盛りに関係なく調達しなければいけないことも多いので、買うべき野菜が直売コーナーに堂々と鎮座していると思わずガッツポーズ。旬というのは春夏秋冬だけでなく、土地と気候を理解することなんだと実感できます。

グリーンマンゴーが届きました。日本では仕入れの時期が限られるので、季節ならではのお楽しみです。
ベトナムやタイでは、マンゴーだけでなくパパイヤやバナナ、グアバ、スターフルーツなど、未熟な青い状態を食べるくだものはいくつかあります。カットしてそのまま、唐辛子入りの塩につけるのは定番おやつ。今年は初めてレッスンで料理する予定です。

1月のタイ料理クラスより、トムヤム鍋。
市販のトムヤム・ペーストで作るカジュアルな鍋料理ですが、がつんとパンチがあって複雑にあと引く味わいが、和風だしの鍋に飽きてきた今頃におすすめ。鶏肉や豚肉、えびも切り身魚もすりみだんごまで、とにかくごった煮で旨味が満杯。素材だしにこだわらないおおらかな感じってアジア鍋の真骨頂です。