今回の旅は4日目に母が合流。なんだかんだで5度目のベトナムとなる母は、テキパキと飛行機に乗ってやってきた。ずっと行きたいと言っていた、中国国境に近い山間の街・サパを目指します。

旧市街にあるハノイ駅。サパへは夜行列車で向かう道中が定番でしたが、近年ハノイから高速道路が開通したことで、バスで5時間ほどでも行けるようになりました。それでも、たとえ便利に距離が縮まったとしても、電車の旅のほうが私は好きです。

ベトナムの電車の、ほんまにちゃんと着くんかなぁと不安になるくらいのんびりしたスピード。駅を出てしばらくは民家スレスレのところを走るものだから、誰かの日常生活を少しのぞけてしまったり。そして、寝不足必至の揺れとともに夜を過ごせば、目覚めの熱いコーヒーが驚くほどおいしいと感じられること。旅情というのだと思います。

夜長にワインを開けました。車窓が肴なんて、なんという贅沢。
つづく

ハノイにひとりでいるときは、決まって旧市街に宿をとります。旧市街はホアンキエム湖の北側、「36通り」とも呼ばれる問屋街で、昔からひとつの通りに同業者たちが軒を連ねます。絹、竹、皮、漢方薬、鶏……など、今では変わってしまっているところもあるのですが、通りの名にはそこに集まる業種名が付けられています。
旧市街に泊まる楽しみは、早起きして街をぷらぷら歩くこと。ハノイは断然、早朝がいい。シャッターが開きかけた問屋通りのすきまを天秤棒のおばちゃんたちが行き交い、路地にはいくつもの青空市場が立ちます。

露店の漬けもの屋さん。奥の瓶、いちばん右はらっきょう、左よっつは小さな丸茄子。その前は、なぜか衣装ケースに入って売られていることが多い高菜漬け。いずれもハノイらしい食材風景です。

ハイビスカスの花は、今が季節。お茶やシロップにしたり、お酒に漬けたりもするのだそう。

小さな豆腐工場を見学。

こちらは市場の豆腐屋さん。かたわらで店主が、開いた豆腐にもくもくと豚ミンチを詰めています。これを買って帰って揚げ煮にすれば、立派なおかずの1品に。豆腐はベトナムで全国的な食材ですが、個人的には、なんとなく北部料理やなぁという印象があります。

自転車商店も味わい深くて好きです。これが日常ならなぁと憧れながら、写真を撮って冷やかすばかりの無礼は、旅人らしい笑顔と片言のベトナム語でもって許してもらう。

散歩コースの途中で朝ごはんを食べたら、適当なカフェに座り直してひと休み。コーヒーが落ちるのを待ちながら眺める旧市街の景色は、いつもなんとなくモノクロな気分。
つづく
しばらくのベトナム滞在から帰国しました。お休みをありがとうございました。

10月、今年はまだ秋が始まったくらいのハノイ。早朝はひんやりした空気が心地よく、昼間には青空が広がって汗ばむ陽気、夜になればバイクの後部座席からつやつやと輝く月を見上げました。
実りきる前の若い稲から収穫したもち米を「Com コム」という。コム売りは、ハノイの秋の風物詩です。ほんのり薄い緑色で、生のままで食べられるくらいやわらかいから、天秤売りのおばちゃんはホラッとその場で試食させてくれる。現地ではおこわを炊いたり、ぜんざいにしたり、バナナにまぶして食べたりもします。
帰国して、何年かぶりに風邪をひきました。緯度が30度違えば秋もこんなに違うもんなんやなぁ、とハノイで食べたコムのぜんざいを思い出しています。

10月のはじめ、イラストレーター・ひやまちさとさんの個展へ行ってきました。開催地は枚方市にある星ヶ丘洋裁学校敷地内の「ソーイング・ギャラリー」。季節の植物がのびのびと育ち、校舎ごとたっぷりの緑にくるまれたような素敵な場所です。※ひやまさんの個展は終了

ひやまさんはハノイに暮らしたことがあり、ベトナム繋がりで共通の友人知人がちらほらあって気になっていた方。在住時の思い出や空気感、そして今なお果てないベトナムへの愛情を筆先で紡がれています。

最近の作品には版画も。白く抜けた部分が全体の色彩をパリッと引き立てていて、そこになんとも言えないライブ感があって、飽きずにくるくると歩きまわりながら何度も眺めていた。

ベトナム料理のハーブが描かれた、市場がモチーフとなっているお気に入りの手ぬぐい。11月頃から料理教室でも販売しますので、数に限りはありますが、レッスンへいらっしゃる方はお声がけください。
さて、私は明日からお休みをいただいてベトナムへ。こちらではまた帰国後に旅の記憶を綴っていこうと思います。

毎年、この時期にうちへやってくるハヤトウリ。近所も野菜屋さんが「獲れたでー」と教えてくれるのがありがたい。教室では、ベトナム北部の家庭料理の定番、サクッとかためにゆでてピーナッツごま塩をつけて食べます。
今年は秋の高知産、新ショウガも教えてもらった。好物の紅ショウガを漬けようと思っています。
9月の料理教室が無事に終わり、今月もありがとうございました。

後半のタイ料理クラスでは、目玉焼きのサラダが人気でした。サクサクの揚げ焼き卵が主役、野菜とハーブは脇役。甘酸っぱくジワリと辛いタレがおいしいタイ式サラダ「ヤム」のなかで、それほどポピュラーではないのにセンス抜群のひと皿。
ここしばらくでいちばん、おかずの減りが早いレッスンでした。頼もしい食欲の秋到来です。

『暮らし上手 今日の晩ごはん』というサイトにレシピを掲載していただいています。
9月12日~16日までの5日間にわたり、毎日1品ずつアップされました。日々更新されていくウェブサイトですが、まだわりと新しいレシピとしてあがっています。
テーマは、野菜が主役の簡単エスニック料理。日々の献立のお役に立てばうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

本日のタイ料理教室は、東北部・イサーン地方の郷土料理でした。青パパイヤのソムタム、イサーン風焼き鳥、スペアリブとたっぷりハーブのスープ、カオニャオ(もち米)。
カオニャオを手で小さく丸め、ソムタムの和えだれにチョンとひたして食べるのが大好物です。

9月の料理教室が始まりました。
今日はベトナム家庭料理のレッスン。ベトナムの人が日々食べているごはんのおかずを、日本の旬食材で味わっていただくクラスです。肉詰め厚揚げのトマトソース煮、なすのガーリックヌクマム炒め、ゆでオクラの腐乳だれ、冬瓜のスープ。夏野菜もそろそろ終わり、たっぷりと名残り惜しむメニューとなりました。
このところカラリとした晴れが続いています。日中は暑いけれど朝夕には涼しい風が吹き、ずっしりした入道雲はふわふわのイワシ雲に変わって、空は日に日に高くなっていく。そういえば、近所のスーパーに常設されている農家さんの野菜売り場では、トマトやオクラやきゅうりの持ち場が狭くなってきた。そういうことを気にしながらベトナム料理を作る楽しさに気がついたのは、わりと最近のことと思います。
残暑お見舞い申し上げます。
8月は毎年ゆるやかな集まりの料理教室。夏休みやお盆のあいまに足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。

料理教室Nam Boは10周年を迎えました。
日々、いろいろな生徒さんがいらっしゃいます。ベトナムやタイに出会ってしまった方、恋してしまった方。見知らぬ料理を旅するように楽しむ方や、新しい知識に注意深くなじんでいく方。10年越しなおつきあいの方もいれば、ここ近年でグッとお近づきになった方もいる。自分のペースで気づまりなくのんびり通ってくださる方との再会も、少しずつ更新されていく新しい出会いも、どちらも楽しい。
料理教室を開いた頃は、とにかくベトナム料理を発信することだけに精一杯で料理していました。10年が経った今、まだまだ力不足なところはあるにしても、あの頃よりはずいぶん寛いだ気持ちで、教室は生徒さんたちと創造するライブ活動みたいな場やなぁと思ってやっています。
Nam Boで繋がったすべての人々に等しい感謝と敬愛を。小さな場所ではありますが、今後もご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。

『きょうの料理 8月号』に掲載していただいています。
「レパートリー倍増!夏のお助け麺レシピ」というテーマのもと、得意なアジアの味を混ぜこみながら、身近な食材で手軽に作れるアイディア麺6品を紹介しました。テキストは全国書店さんで販売中です。
そしてこちら、番組放送があります。
8月31日(水)午後9時~9時25分 NHK Eテレ
9月1日(木)午前11時~11時25分 NHK Eテレ(再放送)
慣れないテレビ収録では、相変わらずシャキッとできずにぼやぼやとしゃべっておりますが…… 番組スタッフの皆さん、アナウンサーの北郷さんに支えられ、とても楽しく料理させていただきました。こちらもよろしくお願いします!

今月のローカルベトナム料理教室は南部地方の郷土料理、牛肉のお酢しゃぶしゃぶ。
ベトナムのしゃぶしゃぶは、牛肉独特の強い香りを中和させるためにお酢や香味野菜などをたっぷりスープに加えます。そして、肉はそのままタレにつけて食べるのではなく、米麺や生野菜、ハーブと一緒にライスペーパーで食べるのが現地スタイル。いろいろな素材をライスペーパーが繋ぐ、こういうベトナム料理が私は大好きです。
横浜のギャラリーショップ「芋乃市場」さんにて、出張ベトナム料理が無事に終わりました。

最寄駅からバスで30分。ここは横浜のチベットなんです、とは家主いわく。この緑と風と土が一体化するすばらしい場所で、何やらおいしいものが作れそうな予感がして、私は来訪時からうずうず。

昼間は料理教室を開催。暑い季節にピッタリの麺料理、ブン・チャー(ハノイ式豚つくねのつけ麺)をワイワイと実習。地元のベトナム料理事情などもうかがえて、新しい生徒さんたちとの出会いに刺激を受けました。

2日目の夜は、得意な(?)ゆるーいベトナム酒場をオープン。ギャラリー店主一家が素敵な呑兵衛ということもあり、そこに集まる人々はやっぱり素敵な呑兵衛たちで、こちらもとても楽しい会となりました。
繋がりを大事にしたい場所が増えたことに感謝を。再びの開催時にはよろしくお願いいたします。
しば漬けラブ。京都人なので。

梅干しの土用干しをしながら、漬けていた赤紫蘇で今年はしば漬けを作ってみました。

8月の料理教室は、ベトナム中部・フエの郷土料理から始まりました。
しじみのスープごはんはフエ庶民おなじみの朝食。しじみの身と香草、ピーナッツやごまをたっぷりとのせて、熱々のしじみ汁をかけていただきます。ときどき、えびみそとレモングラス唐辛子オイルをひと匙、ふた匙。軽くよそったごはんはまるで野菜の一部のように、サラサラと涼やかに胃袋へ。盛夏を乗りきるたのもしい1杯となりました。